共通番号制度の前に考えるべきことがあるだろ

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仕組みを実現する上では今やITは切っても切り離せない関係にあるのは分かるんだけど、結局今までまともに有効活用できてこなかったITをどうするつもりなんでしょう?国や省庁、地方自治体が構築/運用してきたIT資産でその価値を充分に発揮できているものが果たしてどのくらいあるのか、と。

国民一人一人に番号を割り当て、年金や納税の情報を1つの番号で一元的に管理する「共通番号(マイナンバー)」制度の関連法案が9日、衆院本会議で可決された。法案は参院に送付され、今国会で成立する公算が大きくなった。

法案が成立すれば、政府は2015年秋ごろから各個人に番号を通知し、16年1月から利用を始める。制度を支える情報システムの整備にかかる費用は数千億円から1兆円規模にのぼるとされ、IT関連企業は新制度がもたらす特需を取り込もうと動き出し始めた。

「(システムの)調達段階になれば、住民基本台帳ネットワークを作った強みを生かし、積極的に売り込みたい」

引用元 : 「共通番号」特需狙うIT企業 整備費用は1兆円規模に

結局鳴り物入りで展開された「住民基本台帳ネットワーク」って、国民にとってどれくらいのメリットが得られたのでしょうか?そもそも、住民基本台帳ネットワークシステムとは、日本において、地方公共団体と行政機関で個々の日本国民を特定する情報を共有・利用することを目的として構築され稼働したシステムのことで、『共通番号』制度と何が違うのか良く分かりません。このシステムの構築に何千億と血税が使われたのでしょう。それと同じようなことをまたするようにしか思えません。

過去にその無駄な使われないシステムで驚いたことがある。

その中で「ワーストワン」となったのは、防衛省の「申請届出等システム」だ。開発費3億8626万円、年間運営費3692万円に対し、2007年度の利用件数はわずか4件。開発費を含めると、1件当りのコストは1億円に達する。

文部科学省の「オンライン申請システム」は、開発費が11億7886万円、年間運営費1億900万円に対して年間利用件数は115件。2年間で250件の利用があったとして、開発費と運営費を合算した1件当りのコストは515万円だ。両システムとも今年3月末で運営停止になったが、遅きに失した感がある。

引用元 : 電子政府・電子自治体プロジェクト、総額12兆円に対し希薄な存在感

特に防衛省の「申請届出等システム」に関しては開いた口がふさがらないほど馬鹿げた事案である。わずか4件しか利用されないシステムを作っておいて、掛かったコストは約4億円。わざわざそんなのシステム化するくらいなら紙でやれ、紙で。文部科学省の「オンライン申請システム」も開発費からしてとんでもない金額である。約12億円のシステムを作っておいて、年間利用件数は115件ってどんな資産してその予算を認めさせたのかはっきりさせてほしいくらいだ。民間企業でこの金額の稟議を通そうと思ったら超一大イベントで、責任者は常に胃がキリキリする状態になってしまうでしょう。

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大きな絵に突進する前に下絵を描かなくては

とりあえず『共通番号』制度だー!と勢いよくお金に群がって突き進んでいくのは良いにもしても、稼がなくてはいけないITベンダーも血税を使われている訳だから、意味のあるものを作らないといけないわけです。また、ITに詳しくない役人しかいないのであれば、もっと民間登用を促進すればいいじゃないですか。コンサルティング会社はお金をもらうのが仕事でもあるんだから、専門知識に長けている彼らに言いように疲れてお終いですよ。絵に描いた餅が出来上がって、あとは実用性の乏しいシステムが運用されて終わりでしょう。

未だに住所を変更しても、警察署に住所変更の手続きをしなければいけないし、おまけに車を持っていれば車庫証明を出してもらって、さらに陸運局に新しい車検証を発行してもらわなければいけません。そしてそれぞれが縦割りの構造になっているので、その都度住民票やら戸籍謄本やらを発行/持ち出さなければいけません。健康保険だってパスポートだってなんだって縦割り。ようやく税務署での電子申告ができるようになって便利になったくらい。

電子政府・電子自治体プロジェクトの結果でさえこんな状態なのだから、勢いだけで『共通番号』制度に向けてIT整備をしたところで変わるものは大してないでしょう。それよりも、この複雑な日本の仕組みをどうすべきかをきちんと青写真を描くことが先決なのではないでしょうか。そこからスタートが始まると思います。とりあえず、公共事業のようにばらまきからスタートしても、混沌としたものが出来上がって終わりのような気がします。過去の反省を振り返ることが大事なのではないでしょうか。

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年齢 : 30代半ばの1児の新米パパ。ITネットワークから始まり、WEBディレクター、WEBシステム系のプロマネ、データ分析など色々やってるエンジニアです。WordPress、Webサービス構築、BIツール、IoTなどがトレンド。新しくて面白い仕事募集中。
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