e-Taxは楽だけど複雑・・・なぜ国のITシステムは使いづらいのか

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確定申告の季節、多くの方々は確定申告済みまたは確定申告中のことかと思います。私もサラリーマンながら、今年は医療費がかさんでしまったので確定申告をしました。(医療費申告ってやつですね。条件はありますが、世帯で10万円を超えると医療費控除の対象になりえます。)

そのために確定申告をしようと思っていたのですが、『【e‐Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)』なるものが便利だという話を聞いて、これを利用しようと思いました。しかし、まずは『ICカードリーダーライター』が必要なのと、『住民基本台帳カード(&電子証明書)』が無いと、パソコンとネット環境があっても使えないとのこと。

「まぁ、ICカードリーダーライターは今後も使えることもあるしいっか」と思い、以前よりもだいぶ値段も下がっていたのでこちらを購入してみました。

また、『住民基本台帳カード』は登場してから持ったことがなかったので、少々興味があったので作ってみることにしました。即日発行してもらいたかったので、運転免許証とパスポートを持って区役所に行き、作ってもらいました。2時間くらい掛かったかと思います。担当者の方と話をしてみると、「2/16から確定申告なので、今は住民基本台帳カードの発行される人が多くて混雑してるんですよ」とのことでした。結構、『e-Tax』を利用しようとしている人が多いんだなぁと思いました。

とりあえずe-Taxで確定申告はできたが・・・

『住民基本台帳カード』を受け取れましたが、『住民基本台帳カード』の暗証番号を設定し、『住民基本台帳カード』の中にその人の情報を含む『電子証明書』を設定するのでそのための暗証番号を役所の端末で設定しました。これ、謎なのが前者と後者でパスワードの桁数や制限が違うみたいなんですよ。「な、なぜ揃えなかったのだろうか・・・!?」と私としては非常に疑問を覚えました。

しかも引っ越しすると、『住民基本台帳カード』も新規で作り、また『電子証明書』をその自治体で入れ直さなければいけないらしく、当初の目的ってこんなんだったけなぁと思いました。

参照元 : 住民基本台帳カード総合情報サイト|総務省
参照元 : 住民基本台帳カード | Wikipedia

また、最近ニュースで取り上げられて居ましたが、政府閣僚の方々で住基カードを持っていない方は結構いるらしいですね。法案を通すことはやるけれども、実際にそれを取得することも、現場がどういう運用をしているのも、利用者の視点で見ることもしない人たちが政治家になっているという、非常に疑問を感じざるを得ません。そういう人たちが『共通番号制度』を導入しようとしていたら、もっと複雑になって現場も市民も混乱することは間違いないでしょう。全ての仕事を経験した上で政治家になるのは非常に難しいとは思いますが、やはり幅広く身を以て知らない人が大きなことを決めようとすると、綻びが沢山生まれるということなのでしょうね。

参照元 : 閣僚ぞろぞろ「住基カード、持っていません」 大丈夫?共通番号制度導入

と、ちょっと横道に逸れてしまいましたが、無事に『e-Tax』での確定申告をすることができました。電子帳票を24時間都合が良いときに送ることができるというのは非常に便利ですね。ただ、使っていてここでも疑問を感じてしまいました。ICカードリーダーライターで、住基カードを置いて電子証明書で本人の情報が確認できる状態になっているのにも関わらず、また色々と暗証番号などを設定しないといけなかったのです。ざっと挙げるだけでもこんな感じです。

  • 住民基本台帳カード暗証番号
  • 電子証明書暗証番号
  • e-Taxの利用者識別番号(自働発行)
  • e-Tax開始届出暗証番号
  • 納税用確認番号

さすがにこれだけ番号があると、もはや頭の中に留めておくのは難しいと言わざるを得ないでしょう。しかも、確定申告なんて年に1回しかないのですから、メモしておかなければほとんどの人が忘れるでしょう。しかも、年配の方になればその番号の違いに混乱することが容易に想像できます。

国のITシステムは複雑で統一性がない

そういえば、ここ最近でも特許庁が5年も掛けて進めていた基幹システムのプロジェクトを中止するという報道がありましたね。

特許庁が5年前から進めてきた基幹系システムの刷新プロジェクトを中止する方針を固めたことが、日経コンピュータの取材で分かった。当初は2011年1月の稼働を予定していたが、業務分析の遅れなどから要件定義と設計が難航。稼働を3年遅らせたが、立て直すことができなかった。

 政府が策定したレガシーシステムの刷新指針に基づき、特許庁は2004年10月に「業務・システム最適化計画」を策定した。この刷新指針は、特定のITベンダーとシステム保守などを長期契約することによるITコストの高止まりを解消する目的で策定されたものだった。同庁はさらに、入札に分割調達の仕組みを採用して競争原理を働かせることを目指した。

 要となるシステム設計とシステム基盤の構築については、東芝ソリューションが入札予定価格の6割以下の99億2500万円で落札した。ところがプロジェクトが始まると、現行の業務やシステムを理解した職員と技術者が足りない問題が表面化、進行が滞った。特許庁はアクセンチュアと30億円超の契約を結び、同社にプロジェクト管理支援を委託していたが、それでも遅れは防げなかった。
引用元 : [スクープ]特許庁、難航していた基幹系刷新を中止へ | ITPro

100億近い税金をドブに捨てた形ですね。(性格に言うと、受注した企業や某コンサル、下請け会社にはお金が落ちている訳ですが)この規模のプロジェクトをしようと思うと、かなり優秀なプロジェクトマネージャーと業務に精通した人材が、省庁側にもSIer側にも必要になってきます。「難易度が高いから失敗した」と見ようと思えば見れますが、ちゃんとプロジェクトマネージメントの段階で線表を作り、どこまでに要件が詰まっていれば良いのか/その基準は何かが明確になっていれば、プロジェクト自体を中止/継続の判断は開始1年にはできたはずです。それでも、お金をジャブジャブに突っ込んで、挙げ句の果てにはプロジェクトを爆発させる。責任者は、国民に対して公式の場で謝罪することはないのですかね。

昔から『役所に手続きに行くと、色々な部署にたらい回しにあう』ような言葉がありますが、ITシステムの場合でも同じなのかもしれないですね。結局、役所内でも省庁内で縦割り構造になっていて、それぞれの担当者の思惑でプロジェクトが進められ、最終的に組み合わせて総合試験をしてみたら「なんじゃこりゃ」みたいなものが出来上がるんでしょうね。

民間で言うと、今はOAuth認証/OpenID認証などID自体同一のもので色々なサービスと連携できるような規格が進められていますが、同様なものが日本共通で規格できないのでしょうか。さすがにOAuthやOpenIDを使うのは危険な面もあるので、例えば住基カードで認証できれば公共のWEBサービスはシームレスに使えるようになるだけでも、非常に便利だと思うのですがね。

縦割りではなく、横串で動けるような組織がないとこういうのは難しいのですかね。個人的には、こういうを断行するには強い意志が必要なので、是非総理閣下や知事閣下、政府閣僚の皆様にご検討してもらいたいものです。

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もぐ
年齢 : 30代半ばの1児の新米パパ。ITネットワークから始まり、WEBディレクター、WEBシステム系のプロマネ、データ分析など色々やってるエンジニアです。WordPress、Webサービス構築、BIツール、IoTなどがトレンド。新しくて面白い仕事募集中。
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