[連載A#1]無知は罪なのか~資本主義の名の下に生まれた人々へ~

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「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり」という言葉は、ソクラテスの言葉として有名です。ソクラテスは、紀元前469年頃に存在した古代ギリシアの哲学者として有名ですよね。日本語ではソークラテースとも表記することがあります。

ソクラテス自身は著述を行っていないとされていますが、ヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷技術の発明が紀元後1445年頃なので、著述されていたとしても普及するのは難しいですよね。活版印刷技術が出来るまで2000年も空いている訳ですから。この思想は、弟子の哲学者プラトンや歴史家クセノポン、アリストテレスなどの著作を通じ紹介されているわけです。

この「無知は罪なり」という言葉は色々な解釈がありますが、私は「無知という事を自覚出来ないことは罪である」と解釈しています。(私なりの解釈なので、人によって色々あると思います。)

ソクラテスは歴史の教科書にも出てくるような哲学者ですが、彼が特筆される理由は、「無知の知」を背景とした、「知っていることと知らないこと」「知り得ることと知り得ないこと」の境界を巡る、異常なまでの探求心・執着心にあったと考えられています。

人間は知らないことは一生知りません。謎かけのように聞こえるかもしれないですが、知らないことを知ることはありません。

日々、洪水のように情報が溢れる昨今、目や耳には溢れんばかりの情報が脳内に入ってきますが、人間は自分が興味のないことは右から左へすっと流していきます。目の前の仕事に忙殺されているサラリーマンの方々なら分かるでしょう。仕事のことばかりで頭の中がいっぱいになってしまって、他のことが疎かになってしまう。家族、友人、趣味、社会貢献、はては社会そのものも。

人間はうまいことできていて、興味のないことは自然とスルーする力を備えています。脳内の短期記憶・長期記憶ともに人それぞれ容量があるので、その容量以上に無理に記憶を詰め込もうとはしません。入れることができるのは、サヴァン症候群のように常人とは逸した記憶力を持つような人々で、残念なことにそのような人々は精神障害者に分類されてしまうのが現状です。

知らなかったですまない時代がやってきている

先日、お笑いコンビ次長課長の河本氏が、母親の生活保護を受給している件に関して、記者会見までして謝罪をするという事件が起きました。(あえて言っておきますが、この記事は河本氏を擁護する立場でも何でもなく、例として挙げていることを先に伝えておきます。私自身、親も扶養していますし。)

私がこの例を挙げていいたい教訓はただ一つです。

「無知は罪なり」

親の扶養義務が当然のように騒がれていますが、義務教育の中でそれを教えてくれた人はいるでしょうか?先生と呼ばれる人たちが、それを教えてくれたのであれば、倫理観を持った素晴らしい教師だと私は思います。

しかし、私はそのような人には出会えませんでした。「親の扶養義務」なんて小・中・高・大の中で教えてもらうことなんてありませんでした。

中学生の頃に、日本国憲法の前文を暗記させられましたが、そこで日本国民の三大義務は「教育の義務」「勤労の義務」「納税の義務」を学びました。しかし、「扶養の義務」は習っていません。まぁ扶養されている子どもが「扶養」を習うのはおかしいかもしれないですが、常識なのであれば教えておいて欲しいべきところですよね。(賛否両論ありそうですが)

扶養は大きく分けて、「私的扶養」と「公的扶養」に分かれますが、後者は今問題となっている「生活保護法」などの社会が支える扶養として色々な仕組みが存在します。しかし、前者の「私的扶養」について、暗黙的に「長男・長女が親を扶養するべき」という明文化されていない習俗的・道徳的な規範はふわふわと存在していましたが、法律で具体的に定められている訳ではありません。

強いて挙げると民法730条で、「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。」と規定されていますが、具体的な罰則はありません。民法第877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」とありますが、これもまた具体的な罰則はありません。なぜなら民法ですから。

なぜ生きていく知恵は教えられないのか

「扶養」についてここで言及したい訳ではないので、離れたいと思います。

この記事を書こうと思ったのは、もともと不思議に思っていたことも理由の一つではあるのですが、「人が社会で生活していくための知恵は誰も教えてくれない」ということを疑問に思っていたからです。

例えば、親から自立して一人暮らしをしようとします。そうなると、「賃貸物件の探し方」「賃貸物件の選び方」「不動産仲介業者とのやり取りの仕方」「物件のチェック方法」「敷金・礼金とは」「保証人制度とは」「住民票の移し方と義務」「公共インフラの契約の仕方」「引っ越しの仕方」など、知らないことを一気に知る必要があります。

これらは義務教育の中では教えてくれません。「保証人とは何か」くらいは教えてくれるかもしれないですが、「どうやって住民票を移して、住民票がどういう意味を持っていて、住民票を移さないとどんな罰則があるか」まで教えてくれません。(ちなみに「保証人」と「連帯保証人」は似て非なる別ものということは、意外と知られていないものです)

私は全て自分で調べました。母に聞いても全く知りませんでした。学問は義務教育で教えてもらえるのに、「生きる知恵」は教えてもらえないなんて不思議でしょうがありませんでした。日本社会で生きていくことそのものがOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とでも言いたいのでしょうか。

そんなことを私は探っていきたいと思い、[連載]という冠を付けて投稿しました。別にお金をもらってこのブログを書いている訳ではないので、自己満足に過ぎないのかもしれないし、どこまで続けられるのかも分かりませんが、「無知は罪なのか」を探求していきたいと思っています。

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年齢 : 30代半ばの1児の新米パパ。ITネットワークから始まり、WEBディレクター、WEBシステム系のプロマネ、データ分析など色々やってるエンジニアです。WordPress、Webサービス構築、BIツール、IoTなどがトレンド。新しくて面白い仕事募集中。
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