[連載A#4]無知は罪なのか~日本の訴訟の少なさ~

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あなたが普段、何も考えず当たり前だと思っていることが、実は法的には問題だったことであるとは、露ほどにも考えたことがないと思います。

それは、あなたが加害者としてではなく、実は被害者だったりする例・判例は実はたくさんあるのです。

例えばサラリーパーソンの方にはよくある話ですが、「過払い請求」や「サービス残業」なんていうのは有名なところですよね。また、不当な理由による「退職金のカット」や「セクハラ・パワハラ」も有名になっていますが、この中の「サービス残業」は明らかな違法と判例が出ています。就業規定で「○○時間が上限」や「○○時間は給料に含まれる」というのは、判例では不当というのが場合によっては出ています。

しかし、世のサラリーパーソンはそんな会社と闘おうとは思いません。そりゃそうですよね。自分がこれから家族や自分自身を養っていくためには、会社に給料を払ってもらわなければなりません。その会社に煙たがられて、人事評価に悪影響を及ぼしたら嫌だとどうしても想像してしまいます。

そうすると、そこを我慢してしまう訳です。理不尽だと思いながらもしぶしぶ受け入れる。つまり、「泣き寝入りする」訳です。

欧米と比べて日本が訴訟の少ない理由

日本は「訴訟後進国」と事情通では言われています。そのこともあってか、専門職大学院であって、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的に「法科大学院(通称:ロースクール)」が2004年4月に制度が制定されました。また、2006年から旧司法試験とは別に新司法試験が設けられました。

その結果、旧司法試験を合格する人数(200そもそも受ける人数も)は減り、新司法試験に合格する人数は増えているのですが、2006年が1,009人、2007年が1,851人、2008年が2,065人と増えていると思いきや、それから2009年~2011年はほぼ2,000人前後で横ばいの状況です。

また、弁護士に限らず士業は顧客を掴むための営業が必須になるため、この点で苦労しているため、法律事務所での雇用が増えている訳ではありません。経団連の目論見では、「将来的に法科大学院の卒業生が多数企業に入社することが想定できる」としていたのですが、実態の新卒採用ではそのような傾向にはならなかったため、目論見外れとなっている訳です。

そのため、弁護士事務所がガツンと増えた訳でもなく、司法試験は通ったはいいが仕事に就けない法科大学院卒業生が増えているという問題が出てしまっている訳です。

さらに、日本では法律に関する知識の普及が進んでいません。自治体が○○相談会などを頻繁に実施していたとしても、忙しく毎日を過ごしている人の目には止まりません。そりゃそうです。だって、「自らその情報を拾いに行かないと知り得ない」ような宣伝をしているからです。そして、仮に目に止まったとしても、自分や関係者への不利益に遠慮してしまい、訴訟にまで至らない訳です。

アメリカでは、「些細な問題でも訴訟しすぎだ」という声もありますが、法曹界にとっては別に悪いことではないと思います。裁判が多くあれば、弁護士報酬としての売上は発生し、お金のやり取りという経済効果が生まれる訳ですからね。(だからと言って、濡れた猫を電子レンジに入れて勝訴するのもどうかと思いますが/苦笑)

悪と立ち向かう正義感の希薄化

「事なかれ主義」という言葉が日本にはあります。(日本独自な考え方のような気がします)平穏無事に物事が済めばよいという考え方なので、基本的に現状維持、もしくは上役や立場の強い者の言いなりで済ます風潮のことです。

これが日本には定着しすぎていると思うのです。もちろん、私だって争い事は嫌いです。できればしたくありません。ただ、自分のモノサシで明らかに「悪」だと認めるものに対しては、徹底的に闘うべきだとも思っています。それは自分の「正義」に反するからです。自分の「正義」に反するということは、自分自身に嘘付くことになりません。そんな自分のことを好きになれるわけありません。

訴訟に限らず、クライアントにも自分の信念は遠慮せずに伝えます。普通の人とは異質な環境下で育ってきたこともあり、経験は一般の人よりも多くあり、勉強もしたし、社会人の経験や実績も充分あると自負しているからこそ、信念を持って取り組みます。ただ、それが伝わらない時だってあります。そういう場合は論理的ではなく、「感情の討論」に発展してしまうため、身を引きます。これは「事なかれ主義」でいるという訳ではなく、「言っても分からない人に言うことは、余計なパワーとコストが掛かるので無駄はしたくないから」ということです。

話を戻しますが、日本の訴訟が少ないのは、そういう自分自身の「正義」に嘘を付いて、保身に走ってしまうことが原因なんではないかと私は考えます。冒険・チャレンジをすることは、誰だって怖いです。でも、その一歩を踏み出せるか踏み出せないかで、人生の道は大きく分かれます。

私はそういうチャレンジで失敗することは、人生の経験値を貯める上で良いことだと思っています。(もちろんやり過ぎはよくないとは思いますので注意が必要ですよ)実社会において成功者になっている人は、少なからずチャレンジをしています。

例えば、チャレンジをしないで大企業の社長になることも希にできます。しかし、大企業の社長になれたとしても、たかが年収1億円とかその辺です。(そこから税金が引かれたらいくら残るんでしょうね)ユニクロで成功した柳井会長の資産は8400億円とも言われています。ビルゲイツに至っては4兆5000億円の時もあったと言われています。そういうのと比較したら、サラリーパーソンとして社内政治を頑張ってのし上がるのなんて、小さいことかもしれませんよ。(それが間違いだとは言いません。私も一時期目指していた節もあるので/笑)

まぁ、そういうつまらないしがらみに縛られてしまうのが日本人の特徴なのかもしれません。しかしそれでは、人生をみんなが歩くようなおざなりのストーリーにしてしまって終わりです。約1億2700万人みんながドラゴンクエストをしたい訳ではないでしょう。

そのためにも、もっと法律の知識を吸収する機会を増やすべきだと私は考えます。日本人は法律について無知な上、訴訟に対してネガティブなイメージを持ちすぎです。

これは「無知は罪なり」に当てはまると私は考えます。

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年齢 : 30代半ばの1児の新米パパ。ITネットワークから始まり、WEBディレクター、WEBシステム系のプロマネ、データ分析など色々やってるエンジニアです。WordPress、Webサービス構築、BIツール、IoTなどがトレンド。新しくて面白い仕事募集中。
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