火が出て消すのも大事だが、火を出さないことの方が大事

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大手電機メーカーの傾向を見ていると、今に始まったことではなく、業績が悪化するとすぐリストラ/早期退職募集、新卒募集枠の縮小、部門や子会社の切り売りなどの対ショック療法をやっていたように思える。
(今や公務員も採用枠縮小となっていますので、思考停止の老害が多いんでしょう)

例えば、かつては『天下のNEC』とまで呼ばれたNECは、今は大手電機と言っても特出して目立つものがなくなってしまっているのが現状です。かつてはPC-98シリーズで日本のほとんどのPCシェアを誇り、テレビや冷蔵庫などの家電も作ったり、さらにはPCエンジンというコンシューマーゲーム機も作っていましたが、今やその面影もありません。

2005年にはNECプラズマディスプレイをパイオニアに売却し、半導体部門を分社化して2002年にNECエレクトロニクスにしたかと思いきや、2010年にはルネサステクノロジと統合し連結からは外れ、携帯電話事業もカシオと合併しNECカシオモバイルコミュニケーションズとなるも不振、リストラをすると公表しています。

大手電機メーカー「NEC」は、業績の悪化を受けてグループ全体で実施する1万人規模の人員削減の中で、業績不振に陥っている携帯電話の端末を製造する2つの会社の社員の4分の1に当たる500人規模の希望退職を募ることが分かりました。

NECは、歴史的な円高の影響などで、ことし3月期の決算で1000億円の最終赤字に陥る見通しで、国内外のグループ全体で、ことし9月末までに1万人規模の人員削減を行うことを明らかにしています。この中でNECは、業績不振に陥っている携帯電話事業で退職金の上積みなどによる希望退職を募ることが分かりました。

具体的には、端末を製造しているNEC、カシオ計算機、日立製作所の携帯電話事業を統合して設立された「NECカシオモバイルコミュニケーションズ」と、「NEC埼玉」の2つの会社の社員の4分の1に当たる500人規模が対象になるとしています。

一連の人員削減で、NECはすでに電子部品の製造子会社で250人規模の希望退職を募っているほか、タイにある関連会社で現地の社員およそ2700人の雇用を
打ち切ることなども決めています。

引用元 : NEC 携帯事業も希望退職募集へ

パソコン事業でも、中国大手PCメーカーLenovoと「NEC レノボ・ジャパン グループ」を発足しと2011年に発表しています。

しかも、Lenovo NEC Holdings B. V.は、NECとレノボの両社出資(出資比率:レノボ51%、NEC49%)によって設立されており、合弁会社の会長には現レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長のロードリック・ラピンが就任し、社長にはNECパーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役執行役員社長の髙須 英世が就任するという構造で、出資比率から見て分かる通り実質的な支配権はLenovo側にある訳です。

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部門も人材も切り過ぎた結果が『技術力の低下』

「日本は技術力がある」という神話を未だに信じている人が多いことに驚くのですが、日本にはもはや技術力はほとんどないでしょう。いや、町工場などの技術力が高いことは世界が認めているので、大手企業に技術力がなくなったというのが正しいかもしれません。

そんな中でも、一部では世界一の技術を誇りに頑張っていらっしゃる技術屋さんもいるのは事実です。同じ大手メーカー内でも、優秀な人材とそうでない人材が玉石混淆になってしまっているのが現状なのでしょう。
(世界一のエレベーターを作ったと思えば、悪評ばかり付くHDDレコーダーを作る東芝さんが良い例でしょう。HDDレコーダーは一時自社製でもなかったですし。)

つまり、技術力も結局は”人材”に尽きるということなのです。それを分かっているはずの大手電機メーカーは、安易にリストラという名の首切りを実施してしまいます。こんな記事がありましたので引用します。

悪いリストラというのは、どこにもためがない。だから、追い込まれてとりあえず早期退職募集や拠点整理で支出をカットするものの、縮小トレンド自体が変わるわけではない。こちらは選択と集中というよりも、単なる敗走というべきだろう。

終身雇用の日本企業がリストラをする場合、手段としては、グループ内での配置転換、早期退職の募集が考えられる。だが、これらの手段は、選択と集中という観点からすると、きわめて問題の多いアプローチだ。

たとえば早期退職では、生産性の低い人間ほどしがみつき、戦力になる人材ほど手を挙げてしまいがちで、ためがまったく作れなくなってしまう。配置転換の場合、現実には生産性の低い人材をグループ内に薄くばらまくことになってしまうので、全体の生産性は上がらない。
~~~~~
90年代以降の電機各社は、基本的にはホワイトカラーの終身雇用を最優先に守ってきた。

だがそれらはタダではなく、結局のところ、先送りした分のツケが今になって一気に噴き出した感がある。これもまた終身雇用のコストと言えるだろう。デフレ下の終身雇用というのは、いうなればチキンレースのようなものだ。電機でぎりぎり逃げ切った団塊世代はしてやったりだろうが、残った従業員は、これまでと同じというわけにはいかないはずだ。

引用元 : 巨額の赤字決算続出! 大手電機を追い詰めた「悪いリストラ」 | PRESIDENT ONLINE

ここではリストラを挙げていますが、リストラ策が施される前に、優秀な人材はこういう状況を肌で感じ、脱出している傾向にあります。

私の友人にも大手電機メーカーに就職した人がたくさん居ますが、出来そうな奴ほど辞めるのが早かったですね。

聞くと別に仕事をしたくないという訳ではなく、「溺れる船に乗り続けるつもりはない。」「いくら成果を上げたところで横並びの評価をされるのではやりがいを感じない。」という声を聞いたりします。

対ショック療法ではなく先を見通す防衛策を講ずるべき

マンガの中の話になってしまいますが、ドラマにもなって話題になった『め組の大吾』というマンガでは、「消防官には消防意識も大事だが、防災意識の方が重要」という感じの会話がちょこちょこ出てきます。つまり、「火が出て消すのも大事な仕事だが、火を出さないことの方がもっと大事な仕事である」ということです。

私は経営に関しても同じ事が言えると思っています。「巨額の赤字が出たからと言って人や部門を切るのは火消しと同じで、そうならないように経営戦略を立てビジネスに活かす」ことが経営者に求められることだと思うのです。

また、経営上の火消しも防災も、安易にコスト圧縮に走ってはいけません。コスト圧縮は発想しやすいので、やろうと思えば簡単にできるからです。そうではなく、如何に売上を上げればよいかの経営戦略をしっかりと練りましょう。CEOは広告塔ではなく、最高経営責任者なのですから。

最高経営責任者(さいこうけいえいせきにんしゃ、アメリカ英語: chief executive officer、略語:CEO、スィー・イー・オウ)とは、アメリカ合衆国内の法人において理事会(法人が会社の場合は取締役会)(board of directors) の指揮の下で法人のすべての業務執行を統括する役員、執行役員又は執行役(officer、又は executive officer)の名称、若しくは最高経営責任者として選任された人物のことである。統括業務執行役員などと和訳されることもある。イギリスにおいては、同様の職務を行う役員を業務執行役員(イギリス英語: managing director、略語:MD)[1]、又はチーフ・エクゼクティブ(chief executive)という。また、非営利団体ではエグゼクティブ・ディレクター(アメリカ英語: executive director、略語:ED)の名称が使われることもある。

引用元 : 最高経営責任者 | Wikipedia

この対ショック療法とも言える大規模なリストラをすることについて、ソニーも同様である。ソニーについて、米経済誌エコノミストのアナリストがこのように語っているので引用して終えたいと思います。

盛田昭夫の時代が終わり、ソニーの核心となる経営層はアメリカのMBAが作り出したビジネスマンたちに取って代わられた。彼らは数字を第一に考え、製品開発や市場を二の次にした経営戦略をした。それがソニーを迷走させることになった。生産能力を重視し、ソニーが持っていた技術革新というお家芸が途絶えることになった。

このような経営戦略は、2005年になるとますます狂気じみたものになった。当時就任したソニーCEO、ハワード・ストリンガーがまず行ったこと。それは大規模なリストラである。製品研究開発や技術革新に力を入れることはなかった。

今年就任したソニーの新CEO、平井一夫が、毎年巨大な赤字を続けているソニーを立て直すためにした最初のことは、1万人近い大規模リストラだった。ストリンガーの手法と全く同じだ。

引用元 : さよならソニー 米国専門家がソニーの敗北を語る

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年齢 : 30代半ばの1児の新米パパ。ITネットワークから始まり、WEBディレクター、WEBシステム系のプロマネ、データ分析など色々やってるエンジニアです。WordPress、Webサービス構築、BIツール、IoTなどがトレンド。新しくて面白い仕事募集中。
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